■ 現在までの症状と通院履歴


私はコンピュータ関連の会社に14年勤務していました。今も、毎日パソコンに向かう仕事をしております。20代の頃から、肩こりだけではなく、首から背中にかけての痛みが起こることがあり、次第に頻度が増していきました。いろいろな治療を試しましたが、完治せず、最後には鎮痛剤すら効かなくなっていました。その記録を思い出せる限り書いてみます。


日常の運動量について
10代の頃

中学で卓球部にいた程度で、通常は特に運動せず。高校〜大学は満員電車での通学。

20代の頃 満員電車での通勤が片道1時間から2時間。それ以外の運動は、冬場のスキーのみ。
30代 自宅勤務。掃除・洗濯など、家中落ち着きなく動き回る程度。運動は散歩程度。

 

2種類の痛みについて
第一の痛み
(緊張性肩こり)

緊張性の肩こり。20台後半から、肩から意識的に力を抜き、リラックスすることができなくなった。
特に、自分の右側に知っている人がすわっていると、肩こりがひどくなる。
現在は、筋弛緩剤と抗てんかん薬で緩和されている。

第二の痛み
(繊維筋痛症)

首の後ろから背中の肩甲骨にかけて、しくしくと痛む。例えるならば、ひどい虫歯や抜歯の後の痛みに似ている。横になるとラクになる。この痛みがあるときは、気持ちも滅入り、集中して仕事ができない。さらに、筋肉疲労と同じ痛みが加わる。
現在は、鎮痛の特効薬はないが、リタリンは痛みに耐えられるように気分を和らげる働きがあるような気がしている。

 

通院履歴について(第二の痛みについてのみ)

20代の頃

26歳の頃に、初めて首が寝違えたように痛くて左右に曲がらなくなった。近所のU整形外科医院で見てもらい、電気治療を受け、鎮痛剤とシップ軟膏をもらい、約1週間で痛みが消える。

2回めに首が曲がらなくなった際は、会社の近所のY整体治療院で1回で首が曲がるようになった。健康保険が効かないため、続けて通院はしなかった。

3回めは、ひどく痛み、起き上がるのがやっとで、トイレや入浴にも支障があるほどだった。夫にバンテリン軟膏を買ってきてもらい、やっと動けるようになり、近所のU整形外科医院で、レントゲンを撮り、電気治療をし、鎮痛剤とシップ軟膏をもらった。院長先生の所見では、首を支える筋肉とパソコンで指を動かす際に使う筋肉は同じであり、そこに負担がかかったための炎症であるとのこと。パソコン作業時の姿勢に気をつけるようにと言われた。

4回目に首が曲がらなくなった際、Y整体治療院で健康保険が効くようになったため、続けて通院してみたが、今度はあまり効果がなかった。1週間ほどで自然に治った。

会社の近所の整形外科医院に通院して、温熱療法とマッサージと牽引の治療を受けたが、あまり効果がなかった。

 

30代前半

この頃になると、首の後ろから肩甲骨にかけての痛みが慢性的になる。このときの痛みは、しくしくとした痛みで、例えると、虫歯がうずくような痛み。市販の鎮痛剤を常用するようになる。最初はバッファリンでも効いていたが、次第にイブでも効かないことが多くなった。

また、満員電車で背の高い人に囲まれた際に、息を吸うために首を後ろに反らす姿勢を取ると、同じように痛むことに気づいた。

近所の薬日本堂の治療院で、背骨の両側を走る筋肉(神経?)をマッサージする療法をやっており、健康保険が使えたので何度か通院したが、効果なし。

32歳の頃から、半分自宅勤務になり、パソコンに向かう時間が圧倒的に長くなる。

藁にもすがる思いで、隣駅のJ治療院で鍼治療に通い、同時に整体治療も受けた。担当の先生がおっしゃるには、私の症状には鍼が効果があるとのこと。鍼は怖くて緊張することもあり、帰宅するとぐったり疲れる割りに効果が感じられなかった。整体は気持ちは良かったが、やはり効果はなかった。

ある日、担当と違う先生に整体をしてもらったところ、例の首が曲がらなくなる症状が起き、仕方なくU整形外科医院に行った。レントゲンの結果、以前の所見と違い(先生は同じ院長先生)、第5頚椎と第6頚椎の間が少しずれており、そこから出ている神経が圧迫されて痛みが出ているとのこと。その日は、電気治療と牽引をし、鎮痛剤とシップを出された。牽引後、「どう?ラクになったでしょう?」と先生に言われたが、まったく効果が感じられなかったことを伝えたところ、首をかしげていらした。いつもどおり、約1週間で首は曲がるようになった。それを機に、鍼と整体は通院を止めた。東洋医学が信用できなくなった。

30代中期

痛みは相変わらずで、やる気がまったく出ず、うつ状態も併発し、ほとんど寝たきりの生活になってしまった。仕事のパートナーにも理解が得られず、自分自身でも負い目をひどく感じたため、プレッシャーから、まったく起きれなくなってしまった。

N心療内科にも通院していたが、約2年通院しても完治せず「薬の力は6割、あとは自分の意識次第」と言われて医者不信に陥り、通院を止める。

約1年後、原因不明の回転性眩暈をはじめて経験し、近所の耳鼻科にて治療。3ヶ月ほどで自然に治ったが、今でも軽く再発する。

近所のK病院の整形外科でも相談してみたところ、同じように頚椎のずれと頚椎のカーブがS字でないことを指摘された。治療は牽引と電気。しかし、効果がなかった。

さらに約3ヶ月後(平成13年4月)、うつ状態を治すためには、首の痛みをなんとかしなければならないと決意し、N心療内科に再通院を始め、同時にテレビで知ったペインクリニックを掲げている病院を探し、隣町のT整形外科医院に通院を始める。

T整形外科医院の院長先生の所見でも、レントゲンの結果、第5頚椎から第7頚椎にかけて、少しずれており、そのための痛みであろう、とのこと。局所麻酔を打ってもらい、何年振りかの痛みからの解放を感じ、感動した。鎮痛剤とシップを出してもらう。しばらく通院を続けたが、局所麻酔も最初のように効果がなくなり、鎮痛剤も効かないので、序序に強いものへと処方を変えてもらった。

ペインクリニックの療法としては、喉仏の両脇にある星状神経節へのレーザ照射が主な治療だった。テレビでやっていたような麻酔注射は危険が伴うため、先生が薦めなかった。レーザ照射の場所が、担当の技師さんによってまちまちだったため非常に治療に不信感を感じた。先生にマジックで印をつけてもらったり、昔のコンピュータ会社の同僚で今は理学療法士の資格を持っているS君に相談して調べてもらったりしながら、星状神経節にレーザが当たるように祈るような気持ちで毎回治療を受けたが、効果が感じられなかった。

その後、車の助手席で追突に合い、2週間ほどの間、痛みが普段よりひどくなった。その際に診ていただいたS整形外科医院の先生の所見でも、同じように頚椎のずれを指摘された。さらに、首の骨のカーブがS字型になっていないことも指摘された。

まったく改善が感じられないまま、T整形外科医院へ通院を続けていたが、昨年平成13年の9月、たまたま検査入院していた父を見舞いに行ったS総合病院の設備を見て、一度見てもらおうと予約をした。

先生の薦めで、本当に頚椎のずれが痛みの原因かを調べるためにMRI検査を受けた。その結果、筋肉も写り、通常透明であるはずの首の後ろから背中にかけての筋肉の部分が白くなっており、通常よりも極端に薄くなっていることがわかり「繊維性筋痛症」と診断された。頚椎は痛みが出るほどのずれではないとのこと。長年の痛みの原因が分かり、気持ちが非常にラクになった。

治療法として以下をアドバイスされた。
・計画的な筋力トレーニング。通常よりも筋肉が細く、つきにくい体質のため、最低でも3ヶ月はかかるとのこと。
・鎮痛剤が効かないのは、脳がそのようになってしまっているから。
・心療内科には、このまま通院すること。

 

平成13年(38歳)

インターネットで「繊維筋痛症」を調べたところが、まったくと言ってよいほど、情報がなく、不安な毎日を過ごしていた。

ある日、「繊維」「筋痛症」の2つのキーワードで検索したところ、たくさんのページが見つかり、そこで浦野先生のページを見つけ、この病気の詳細を知った。

念のために、浦野先生にメールにてアドバイスと確認を求めたところ、やはり「繊維筋痛症」と「繊維性筋痛症」は同じ病気であろうとのこと。無理せず、このままトレーニングを続けるようにとのアドバイスをいただくことができた。

昨年(H13年)引っ越した。引越したのは10月末だが、痛みや離婚問題のトラブル、親戚の不幸などが重なり、さらに不注意から肋骨の打撲で自由に動けなくなり、「死にたい」とまで思うようになった。たまたまタウンページでみつけたSクリニックにかけこんだところ、S院長先生が非常に温厚で自分にはとても合っていて安心できた。そこで、以前のN心療内科では出されても飲めなかった(副作用のめまいが起きるのが怖かった)SSRI(パキシル)を飲み始め、1〜2ヶ月経過した頃から、精神的にも前向きになり、痛みと同居しながらも、なんとか仕事に少しずつ復帰している状況。

パキシルを飲み始めて1ヶ月ぐらいから効果を感じ、年明けには朝8時から9時ぐらいには自然と(罪悪感なしに)起きられるようになった。

平成14年(前半)

1月:SSRIの効果と、肋骨の打撲が治ったことから、トレーニングを再開。ところが、約3ヶ月経ち、体重も3キロほど増えて「筋肉がついた」と喜んでいたところ、突然激痛に襲われ、ほとんど寝たきりの状態になってしまった。

4月: MRIのS先生の誤診かと疑ったり、そのころは膠原病の「繊維筋痛症状」と勘違いしていたことから、膠原病の専門医であるT医療センターのN先生に診ていただいた。結果は、問診の結果から、繊維筋痛症状と慢性疲労症候群には1点足りなく、鬱状態がひどいということであった。投薬はこのままでよいということだが、明確な痛みの説明はいただけなかった。

1週間後、MRIのS先生に、もう一度診ていただいた。トレーニングの内容を説明したところ、「トレーニングのやりすぎで、筋肉疲労を起こしている」とのこと。痛みの原因が分かり、とりあえず、安心した。また、膠原病の「繊維筋痛症状」とはまったく別の病気であり、広義の「頸肩腕症候群」である、との説明もいただいた。また、大胸筋も鍛える必要があるとのこと。

通常のトレーニングを休み、ストレッチと大胸筋の軽いトレーニングのみにしたところ、痛みが序序に引いていった。6月現在、トレーニング開始前ぐらいまでに、戻った様子。

5月:痛みをとるのは悪いことではない、というペインクリニックの先生のページを見つけ、院長のK先生に紹介していただき、N大学病院のO先生を訪ねてみた。O先生は、一時的にペインクリニックの治療で痛みを取り除いても、根本的な解決にはならないため、治療は薦めない。軽いウォーキング程度の全身運動から始めなさいと言われた。とは言っても、寝込んだり、痛みが強くなったり、体と相談しながらのトレーニングになるだろうから、悩んだら、いつでも診療にいらっしゃい、とのこと。

平成14年
8/3追記

上記O先生のアドバイスで、ウォーキングやストレッチを続けるが、痛みは変わらず。半日動けない日も多い。

7月の北海道旅行に合わせて、滝川市の神部病院の院長先生に診ていただくよう連絡を取る。「旅行の間だけでも、痛みを取り除いてください」とお願いしました。丸半日×2日の検査や神経ブロック治療にて「頚椎ヘルニア」があることがわかる。

痛みの原因は、
・ヘルニア
・性格
・筋力がない
この3点であると言われました。N病院のO先生に、写真を持っていって、今後を相談しなさいとのこと。

神経ブロックの結果は、おそらくヘルニアからくる神経の痛みは5日間消えましたが、筋肉の引きつれるような痛みは翌朝には復活していました。

O先生に予約をとり、写真を持って相談に行きました。
私の希望は、以下のことであると伝えました。
・入院してでも、痛みを取り除きながらプロの元でリハビリをして、自分でリハビリができるところまで回復したい。
・それが無理ならば、今後は痛みと共存して生きて行くことを考えたい。

O先生は、両方とも薦めないとおっしゃいました。通常の生活をしながら回復することこそに意味があるとのこと。また、仕事のことは理解していただけないようでした。私の痛みが普通に働ける程度のものであると思われたようです。

通院しての治療と方針決めを薦められましたので、遠くて通院できないことを伝えましたら、近所の病院を2件紹介してくださいました。

   
平成15年
11月25日追記
ドラッグチャレンジテストを受けたいと思い、ペインクリニックに行ったところ、星状神経節ブロック(SGB)を10本は打ってみる価値はあるとのこと。
5本目から、痛みが少し軽減するようになった。
10本目で、痛みがほぼ消えた。しかし、効果は半日程度しか持続しない。
また、激痛で苦しむことがなくなった。

上記、経過の中でたくさんの先生にお世話になりましたが、特に感謝したい人がいます。

 ・Sクリニック院長先生:駆け込みだったのに、やっと信頼できるお医者さんというのを見つけた気がします。
 ・I整形外科医院の院長先生と弟先生およびスタッフの方々:毎回、非常に熱心に丁寧に診療してくださいました。
 ・S君:ペインクリニックの件では、とても心強かったです。ありがとう。これからも患者さんのために頑張ってくださいね。
 ・S総合病院のS先生:MRI検査で本当の病名を解明してくださり、目の覚める思いでした。

 ・浦野先生:ご丁寧にメールの返事をくださり、不安を取り除いてくださいました。
 ・神部先生:ご丁寧にメールをくださり、都内のペインクリニックの病院を紹介してくださいました。
 ・O先生:痛みを取り除いてあげることはできないけれど、悩んだときはいつでもいらっしゃいと言ってくださいました。


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